フィンランドのベーシックインカム社会実験の欠点と結果予想
こんなフィンランドのサイトに記事があった。
The 2,000 participants were selected from the ranks of existing labour market subsidy and unemployment benefit recipients.
ベーシックインカムは、すべての国民に無作為に定額をあげようと言う人が多い。
しかし、フィンランドの場合は、社会保障の側面が強く、生活保護や失業保険をもらっている人の中から2000人選ばれたようだ。
実験結果はおそらく、全国民に給付するよりも偏ったものがでてくるだろう。
例えば、「ベーシックインカムをやれば、みんな働かなくなる」と言う人がよくいる。
実際には、アンケートを取ると、半分ぐらいの人はそのまま働き続ける。このフィンランドの場合、働かない人が、多めにでるかもしれない。AIやロボット化が進んでいないフィンランドでは、財源はとりあえず、高税率な現状のフィンランド社会のままでなんとかなるんだろう。日本の場合は、ある程度AI・ロボット化が進んでからBIに段階的にも移行したほうが良いと考えている。
ずっと働かないにしても、長期間ニート経験がある人ならわかると思うが、ずっと毎日休日だと逆につらくなる人がいる。社畜の人の中には、働きすぎて、休日に何をしたらいいかわからないという人もいる。こういう人の中には、何かしらやってないと気がすまない人が多い。ひたすら寝るだけでいられる人はニートに向いているが
半年~1年ぐらいで、毎日好きなことができてそれも飽きてきてしまったりする人もいる。
やる気のある失業者でも、BIによって、何か新しいことを始めてある程度結果がでるのに1年はやはり費やすのではないか。
時期によっても、無職率は実験の段階では変動するだろう。2年間の実験の1年半〜2年あたりの時期のデータが、データとして落ち着いてきて信憑性があるものになりそうだ。
あとは、社会貢献欲や自己実現欲求が強い人は、ニートには向いていないので、
仕事大好き!という人もいる。ワーカホリック日本人だとこれがけっこういる。
それで、フィンランドで選ばれた被験者のほとんどは社会保障をうけている人たちで、
あまり意識が高い人はいなさそうだ。意識が低くやる気のない人間が多いように推測する。
なので、全国民から無作為に選ぶ結果より、この意識の低い被験者たちでの結果は、
ほとんどの人は、そのまま無職のままでBIを受け取って生活するのではないだろうか。
しかし、精神衛生上は良い結果になるだろう。BIで精神衛生上悪くなるはずがない。
だが、月560ユーロということで、フィンランドで生活するとこれではふつう足りない。
ペットボトルコーラが2.5ユーロぐらいのようだ。現在1ユーロ121円なのでコーラは300円する。
ざっと、フィンランドの物価は日本の2倍と考えていいかもしれない。
ということは、560ユーロは6万8千円ぐらいだ。
日本の感覚だと、月に3万4千円ぐらいベーシックインカムをもらっているような感覚の社会実験というわけだ。
衣食住で、衣と住がある人にとったら、そこまで労働するモチベーションがなくても生きていけそうだ。
もしくは、気分でたまに労働したりとかでもいい。
賃貸物件の人は、このベーシックインカムだけではしんどい。
シェアハウスやルームシェアで、安く抑えて、パートタイムジョブをするとかでも生きていけそうだ。
フィンランドのベーシックインカムは、年齢制限があり25才以上~もらえるので、少子化対策にはあまり効果はないかもしれない。子どもにも給付したら、少子化対策にも一定の効果が期待できただろう。
まあ、フィンランドは、人口550万人でジリ増の国だ。出生率はここずっと1.8あたりを彷徨っている。
フィンランドは、育児保障や教育にちからを入れていて、日本ほど深刻ではないのもありそうだ。
日本の場合は少子化なので、ばんばん子どもにはBIを給付すべきだろう。
最近読んだおもしろかったベーシックインカムの本を最後に紹介。
タイトルは、シンギュラリティの経済学だが、結論は、ベーシックインカムがいいよねという感じだった。財源に関しても、この鈴木さんのAIを国有化してAIやロボットに人間と同じように給料をあげるようにすればいいというは非常におもしろかった。
まだα版で、安いので今のうちに著者に意見をフィードバックするといいかもしれない。