落合陽一 新著「これから世界をつくる仲間たちへ」の感想・書評
Kindle版で読んだ。
No.571, 25%
「人間がコンピュータのネットワーク能力に負けた」とある。
しかし、クラウドソーシングでは、発注側が安く済むケースがあり
受注側が安値で叩かれるという構図が現状で、受注側は負けたといえるが、発注側はむしろ勝っている。
受注側にしても、人件費の安い国にさらに発注すれば、中抜きでき
自分は他のことでさらに生産活動ができるので、受注側も使い方によっては、勝つことになる。
モチベーションでは、人間がコンピュータに勝てるとある。
勝ったところで何か大きな意味があるのかが書いてない。
そもそもそれに意味があるのか謎だ。
No.642 ,28%
コンピュータと人間の共存が良いと言っていたりするわりに、
人間はコンピュータの下請けになるという事例が書いてあるが、これも表現次第だろう。
コンピュータにやることを命令されるというよりも、
コンピュータがやるべきことを教えてくれるという立場のほうが人間の精神衛生上よろしいと思う。
上司にどなられて命令されるより、コンピュータに優しく(ボー読み的に?w)教えてもらえたほうが良かったりもするだろう。
No.684 ,30%
(米国の)Uberのドライバーの平均時給は日本のタクシー運転手の3倍とある。
そこは、米国のUberのドライバーと米国のタクシー会社に所属してるタクシー運転手と比べないと・・・。
日米で物価がやや違うし社会システムも違うし、タクシーに関しては国によって高い安いが変わりやすいしなおさら。
ただ、ヒューマンコンピュテーションについては、わかりやすく書かれているし、よくAIの登場で
仕事が将来半分ぐらいなくなると言われるが、すでにクラウドソーシングやUberの影響で簡単な企画・プロジェクトや客送迎サービスは、アプリ・サイトによって”事務自動化”されつつあるというのは言われるまで気づかなかった。
考えようによっては、アプリやサイトが、プログラムされた通りに振るまい処理すれば、結果として、それが知能とまでは呼べなくても人間が行ったとすると事務職に相当するものになったりして、AI的に動くと捉えることもできる。
あと、ロボットやAIに替わると、残った従業員の時給は上がるというが、競争原理で提供価格のほうが低下し、時給はほぼ変わらないだろうと思う。もしくは、役員報酬は増えるかもしれない。従業員の時給が上がるのであれば、ホワイト企業だと思うが、今の日本の現状からすると考えにくい。企業によるがその役員・管理職までAIになるとすると、内部留保が拡大するか社長の給料UPの可能性も高い。
No.1345, 59%
「コンピュータが僕らをうまく使って活動するようになる」
と決めるのはまだ時期尚早なのでは。
まだ、コンピュータを作っているのは人間でそこをうまく制御していく余地がある。
ミトコンドリアを取り込んだ人間の例をあげているが、ミトコンドリアは人間によってつくられたものではなく
人間より先にいたものなだけだ。コンピュータは人間を創りだしていない。人間がコンピュータをつくりだした。
コンピュータの高速な計算によって、コンピュータに人間が活用されたほうが、人間にとって、幸せになるのならそれでいいのかもしれないが。
No.1744, 76%
「これからは、アーティストだけでなく、文化人、芸能人、スポーツ選手、政治家、起業家が増える」
政治家だけちょっと気にかかる。政治家というより、デモ行進するような人たちが増えるだろう。
政治家は逆に、参議院とか将来消えてる可能性もあるし、枠自体は人口減少もあり、減っていくのではないか。
No.2327, 89%
「コンピュータがあれば問題設定の枠組みそのものが広がるはず。だからこそ、コンピュータで何ができるのかを考えることは大事」
これが、No.571, 25%にあった、人間がコンピュータに勝つべきだという理由と捉えた。
結局はコンピュータ使って、問題解決してこうということなんだが。
他に関しては、納得できる部分ばかりで、僕と考えが同じ点もいくつかあった。
多くの人にはオリジナリティを求めるのは難しいのではとも思った。
わりと意識の高い本です。